睡眠をコントロールする「メラトニン」

メラトニンの血中濃度は1日のサイクルで変化しており、いくつかの生物学的機能に概日リズム(サーカディアンリズム)を持たせている。 ヒトでは、メラトニンの血中濃度は昼に低く夜に高く、睡眠と関連している。 夜行性の生物の場合も同様なリズムを示す。

引用:メラトニン - Wikipedia

睡眠の質を左右するのはメラトニンです。メラトニンとは、睡眠に影響を与える内分泌物質です。 人は、日光や照明の光から分泌量に影響を受けます。 例えば、朝日を浴びることで分泌量が減少します。一方で、夜になり暗くなると分泌量が増えます。 このメラトニンの分泌量が調整されることで、体のリズムが調整されます。 よって、不規則な生活、こもりがちな生活が多くなると、不眠症などの睡眠障害の原因となります。

快眠できない場合、何らかの理由でこの睡眠を司るメラトニンが適切に分泌されていないと考えられます。 原因はいくつか考えられます。

生活リズムの乱れ

人間の体は、定期的な生活を営むように出来ています。 リズムの崩れた不規則な生活をしていると、対象が崩れやすくなります。 睡眠の質が下がるのはその一環です。

(ダイエットなどによる)栄養不足

ダイエットなどで食事制限を行うとセロトニンが不足するケースがあります。 そうなるとメラトニンを分泌する量にも影響が出ます。 メラトニンの分泌が下がれば当然睡眠の質が下がることになります。

運動不足

快眠のためには適度な疲労感が必要です。 運動不足で適度に体が疲れていない場合も、睡眠の質が下がります。

生活が不規則で日光を浴びる機会が少ない

メラトニンの分泌は光によって影響を受けます。 分泌量の増減を適切に繰り返すことが、健全な睡眠に効果的です。

スマホ、PCのブルーライトを受けすぎている

近年、ブルーライトの影響がささやかれています。PCやスマホのモニターから発せられる青色の光が、目を通して脳に刺激を与えます。 この刺激は脳を興奮させて、交感神経を優位にさせます。睡眠時には副交感神経が優位であることが快眠の条件となります。

ストレス

過度の精神的な負荷が高まると睡眠の質が下がります。

寝付きが悪くなる入眠障害、途中で目が冷めてしまう中途覚醒、いつもより早く目が冷めてしまう早期覚醒などで現れます。

また、総じて睡眠の質が低下する場合は、熟睡障害と呼ばれます。

自律神経失調

交感神経と副交感神経の優位の交代がうまくいかない状況です。この状態も睡眠の質を高めることは出来ません。

長期に渡るストレスにより、自律神経の交代が阻害されることがあります。

医師と相談の上で、適切な治療を進めてください。

デール・カーネギー曰く、「不眠症で死んだ人間はいない。」とのことです。

セロトニン(メラトニンの材料)の不足

食事制限、ストレスなどからセロトニンが不足することで生じます。

セロトニンは、メラトニンの材料となるものですので、この不足は睡眠の質の低下につながります。

時差ボケ

人間の睡眠サイクルはなかなか変えることができません。 遠方への移動で睡眠サイクルがズレますと、調整がうまく行きません。

死活時間帯が4〜5時間ずれると、時差ボケが出ると言われており、海外への出張や旅行では現地との時差を確認しておきましょう。

また、現地との時差が大きく、現地までの移動時間が短い場合、症状が出やすいと言われています。

照明や睡眠のタイミングを意図的にずらすことで調整してください。

時計を現地の時間に合わせる

現地の時間帯に合わせて行動を調整します。食事、睡眠のタイミングを図ります。

到着時間帯に合わせて、機内で睡眠をとる

到着が朝の場合、機内では到着まで寝ていられるようにします。 また、夜の場合は、早めに寝て起きておく、または全く寝ないなどの対処をしてください。

機内食をしっかりとる

機内食は、現地の到着時間から逆算して提供されることが多く、しっかり食べることで睡眠サイクルの調整に役立ちます。

しっかりと日光を浴びて、睡眠サイクルをリセットする

睡眠サイクルのリセットには、日光が一番です。現地に着いたらしっかりと日光を浴びましょう。

参照

メラトニン - Wikipedia

メラトニンと不眠症

メラトニン研究の歴史